相続は財産ばかりを受け継ぐわけではありません。
亡くなった人が残した借金など、債務も含めてすべて引き受けることになるのです。
場合によっては受け継ぐ財産よりも債務のほうが多いこともあります。
ですからなにも考慮しないで相続してしまうと、その後の人生にまで大きな影響が及んでしまうことにもなりかねないのです。
そこで債務を受け継ぐことを避けたいのであれば、法的な手続きを行うことが必要です。
その代表的な手続きは相続放棄です。
この手続きをしておけば、一切の権利や義務を受け継ぐことはありません。
財産を引き継ぐことはできませんが、借金などのほうが多くなりそうな場合はこの手続きが有効です。
また引き継いだ財産の範囲でなら債務も負担するという場合は、限定承認という手続きが有効です。
この手続きをしておけば、受け継いだ財産以上の責任を負う必要はありません。
ただしこの手続きは、相続権を持つすべての人が参加することが条件になります。
相続問題を相談する場合にはこれまでは弁護士や税理士に相談するのが最も良いとされてきました。
しかし弁護士は法律的な観点から相続をする場合の問題や最も円満に行う上でのアドバイスが中心となること、また税理士は税法上の観点からのアドバイスが中心となることから、それ以前の誰にどのような財産をどのくらい渡せば良いかといった問題を相談することはなかなか難しいものが有りました。
このような相談を受けるための資格として相続診断士があります。
この資格は問題を総合的な観点から分析し、本人との関係などを鑑み最適な方法をアドバイスすることが出来るものです。
またその過程でトラブルが発生しそうな場合には、できるだけ事前に関連する専門家と連携し、問題を早急に解決するとともに最適な方法を選択するための支援を行うための資格です。
相続診断士は現代社会に於いて一人ひとりの人生に深くかかわると同時に、有意義な人生を送ることをサポートする資格でもあるのです。
2018/2/2 更新